次に記す点も明かではなく今後の調査を必要としますが、今のお堂の中の状態(本尊がおられ、その横に小さな千体地蔵さんが並んでおられる)というのは当初からその姿で安置されていたとは考えにくく、どちらかというと本尊の中にあった書き物と一緒に小さな地蔵(千体地蔵の元となる地蔵さん)が数体入っておられ、ずっと過去の修理の際などにこの小さな地蔵さんが発見され、そのお地蔵さんにあやかって、信仰のあった地域の方々が、(現代の提灯を上げさせてもらう習わしと同様に)小さな地蔵さんをあげられ本尊の横にお並べしたのではないかと考える方が自然のようです。なぜなら過去の他地域の調査で仏像の体内に小さな仏さんを一緒に入れて彫り上げることがよくあるとのことです。(鑑定いただいた、元守山市教育委員会文化財保護課:山崎秀二さんの考え)
しかも、もし流れてきたというのであれば逗子に入った本尊とお腹の中の小さな地蔵さん数体であろうということです。たとえ流れていなくても、本尊に入れられる数は限りがあります。そのことを裏付ける根拠として、800体余りの地蔵さんをよく見ると新しい千体地蔵さんがほとんどで中に色落ちした白っぽい古い地蔵さんが数体おられます。その地蔵さんこそがそれにあたるのではないかということです。 |